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会社のコンセプトを1時間でつくる方法

このブログを書いた人:

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小笠原 裕介

株式会社ジナルカ代表取締役。マーケティング・セールス領域で機能する自己表現ツール「ビジョンキャンバス/スタートアッパー」運営。ビジネスを物語で考える人。0が近づくにつれて目が開き、0を超えると覚醒する夜型人間。朝日は苦手。IT業界20年、差し掛かるベテランの域。らしく、凛々しく頑張ります。

今日話したいのは、コンセプトの描き方

ジナルカでは、客観的(に顧客分析)かつ(事業活動につながる)機能性を重視してコンセプトをつくります。ジナルカの生業ですので、その質にはこだわっていますが、大前提としてコンセプトはあること自体が大事だと思っています。

そしてもうひとつ重要なこと。コンセプトは、組織のトップリーダー、一般的な企業で言えば社長が原型をつくることです。会社の現在のキャラクターを規定するのは、最高責任者である社長です。会社のコンセプトが社長以外の人間から生まれたものではいけません。

コンセプトは、採用活動や組織マネジメントの上で、指針としても明確なメッセージツールとしても有用に働きます。また、現場で機能することで、コンセプトは洗練されていきます。

『自社の在りたい姿をトップリーダーの「言葉」として、組織に伝える』

これがコンセプト型の組織運営の第一歩です。今日は、そのコンセプトを描くための方法について話していきたいと思います。

あらためてコンセプトとはなにか?

コンセプトとは、価値をつくる上で、自らが持つべき「一貫性」です。

人にとって「一貫性」とはなにかと考えると、その人が持つ道理の通し方、もっと簡単に言うと“美学”のようなものだと思っています。

では、企業の美学はどこで見られるのか?

それは「過去」と「未来」の間の「在り方」です。より噛み砕いて考えてみると、過去から現在に至る時間軸と、現在から未来に至る時間軸、そこで一貫している美学なのだと考えます。

コンセプトの導き方としてまず、

1.過去から現在まで存在してきた意味【①独自性】を考えます。
2.現在から未来を指し示す【②方向性】を描きます。
3.この①と②を貫く【③一貫性】を考えましょう。

①独自性②方向性③一貫性の3つが決まると、それが会社のコンセプトと言えるものになります。
(参考:https://ginalca.jp/blog/311/

良いコンセプトはリーダーをつくる

MVV(Mission/Vision/Value)や理念で表現されるものをコーポレート・アイデンティティと呼ぶとすると、コンセプトは、その解像度を高めてより具体化された表現です。

上記がアイデンティティ・コンセプト・戦略の位置付けです。

それぞれの位置づけが何を生むかを示したのが、フォーカス・オブ・コンパスと僕が読んでいるもので、それが下記の図です。

アイデンティティは会社を、コンセプトはリーダーを、戦略は役割をつくることができる。なんのためにつくるのかを、このように階層的に捉えておくと、アウトプットのイメージもより高まるのではないでしょうか。

コンセプトの場合は、リーダーをつくります。コンセプトに共感してくれ、それを率先して体現してくれる人こそが組織におけるリーダー(候補)とも言えます。コンセプトが採用活動で有用なのは、リーダー候補を探す際に、候補者の感性を引き出して判断するダウジングにもなるからです。

リーダーは「戦略」からは生まれません。社長がリーダーの“在り方”を示し、考える余白を存在させることで、「コンセプト」を起点にしたリーダーが生まれます。

コンセプトを導くのに必要な“問”はなにか?

ここからは具体的にコンセプトを考える方法です。

「時代性」を意識しつつ、先程話した3つの性質でコンセプトを固めてみましょう。とはいえ、いざ「独自性はなにか?」と聞かれても、すんなり答えは出てきません。

「方向性」「一貫性」においてもそうです。

セオリーとしては「方向性」→「独自性」→「一貫性」の順で考えていきましょう。これは方向性は客体、独自性は主体、一貫性は両者を主語にして考えるものだからです。

1.「方向性」の考え方

まず方向性は、未来に向かった方向のみならず、誰に向けて価値を提供していくかを意味として含ませたいところです。ゆえに、相手の立場で世界を捉えておくことが重要であり、それをどう変化させたいかも同時に提示する必要があります。

ここから導くに、「方向性」に対する問は「誰の世界がどう変化してほしいか?」です。

2.「独自性」の考え方

次に「独自性」。この言葉を聞くと、競合比較や差別化の実態と捉えた上で導きたくなりますが、コンセプトの段階では、2つを意識して考えてみてください。ひとつは「過去から現在まで存在してきた意味(存在意義)」、もうひとつは素直に「今社会にどのように認識されたいか」を描くことです。そこから言葉をつくっていけばよいです。

大事なのは、今です。ですが、過去から培ってきた価値が今につながるのであれば、それは繋げていく意味があります。何を捨て、何を価値として引き継ぐのかが問われる「独自性」の捉え方は、この2つを照らし合わせて考えていく必要があります。

3.「一貫性」の考え方

最後に、その両方をつなげる「一貫性」。これは①と②を重ね合わせた概念であり、皆に求めるマインド(≒考え方の優先順位)として機能できる言葉です。

「①独自性を発展させ、②方向性を加速させる、その2つをかなえる言葉はなにか?」。難易度は高いですが、このかたちで悩んで「一貫性」を導くのが良いと思います。行動姿勢やマインドの中核に置く言葉で、それが①と②を結びつける言葉です。

『僕たちの一貫性は●●です。』ここに当てはまる言葉がコンセプトのメインコピーになり、ひいては会社の存在感を印象付けます。

ジナルカを例に説明します

「方向性」「独自性」「一貫性」の作り方をここまで説明してきましたが、弊社の例をもとにより詳しく解説してみます。

1.ジナルカの「方向性」の考え方

ジナルカでは【素直でいることが、価値になる社会】を方向性として示しています。これは、「素直でいることは損だと思っている人」を主語にして、その人に「素直でいることは価値になる」と変化を与えたいことからつくりあげた方向性の言葉です。

2.ジナルカの「独自性」の考え方

ジナルカでは【純粋な想いを、現代的で人間的なコミュニケーションに変換する】と定義しています。「現代的」というのはその時代に生きる人の心を、その時代に存在する技術を駆使するという意味合いを込めています。

「人間的」というのは、機械的の反対に位置する言葉で、ぬくもりや配慮など、人が人の温かさを感じるコミュニケーションを設計したいという意味を込めています。そしてそれを研究しつづける存在意義を最後の「ラボ」という言葉に込めて自分たちの独自性を定義しました。

3.ジナルカの「一貫性」の考え方

ジナルカでは「らしく、凛々しく。」という言葉をコア・バリューとして置いています。「らしさ」を起点に、社会に称賛される価値を創造していくことを、自分にも、他者(方向性で描いたターゲット)にも提供していきたいという言葉です。

これはマーケットや社会を過度に意識せずに、自分の頭にある価値観や想像力をもっと中心において社会との関係性をデザインしていくことが、より社会に携わる人の幸福度をあげると思う僕の持論が大いに含まれています。

これらをもとにデザインしたコンセプトシートがこちらです。

Mission/Vision/Valueとの違い

ここまで説明してきたコンセプトとMVV(Mission/Vision/Value)は概念的にはそう離れたものではないと思います。とはいえ、MVVは永続的に機能する前提ゆえ、普遍的な概念として描いています。

コンセプトは、それよりも今いる組織の人達を見て、リーダーの考えを大いに反映し、この時代で会社のアイデンティティ(MVV)をどう示すか捉えたものです。仮に、新進気鋭の設立間もない会社の場合、時代を捉え直す必要がないので、MVVをそのままコンセプトに流用することはできると思います。

整理すると、コンセプトとは、今の時代の向き合い方を定め、そこから自らの活動を想像できる羅針盤です。ミッション・ビジョン・バリューの示し方よりも、具体的で機能的である必要があります。その点を、ぜひ意識してみてください。

ウォルト・ディズニーが教えてくれるコンセプトのあり方

余談ですが、娘と先日、東京ディズニーランドの歴史を覗ける展示会に行ってきました。有名な話ですが、この言葉には、あらためて感銘を受けました。

この言葉はディズニーランドのコンセプトが垣間見られる言葉でもあります。

また、永遠に完成せず成長し続けるという言葉は、企業の「コンセプト」にもつながるものがあります。

「今の時代に対して、自分たちのキャラクターをどう定義すべきか?」というのがコンセプトを導く上での“問”だと思っています。時代は常に移り変わっていますので、コンセプトというものも“完成”することはないと僕は思っています。

もし、客観的な分析をもとにコンセプトを提案してほしい、壁打ち相手になってほしい、などのニーズがあれば喜んでお話を伺います。

ぜひご連絡ください。

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